新しいバックパックを購入した。
私はこのバックパックを2days(ツーデイズ)と呼ぶことにした。
これはパーゴーワークスというガレージブランドの
rush28だ。
春に走る
GTRに向けての一番重要な装備と考えたバックパックの拡充。
その吟味のために色々調べた挙句、
先ごろに
騙されてウルトラを走って展示会的なフリマまで赴き下調べもした。
そうした下調べもあまり手ごたえはなく、
実際に背負ってはみたのだけど、自分の装備ではないパッキングではあまり参考にならなかった。
とはいえ単純なサイズ感だけは把握できたのが最大の収穫で、
このサイズなら自分が持ちたい装備を背負えるとだけは確かめられた。
それをパッキングしてからの安定感などは次の話です。
わたしゃあね、正直なところ道具に頼る気持ちはあまりないんだ。
だって、走るのは道具ではないから。
自分が誇りを持って走る限り、道具にそこまでの比重を置きたくない。
走るのは自分、道具はただの道具、
「この道具があったから走りきれました」などと言えるようなスーパーアイテムがこの世にあるなら教えてもらいたい。
それには大枚をはたく価値があるのだけど、私のような実存主義者にはそれに適う道具など見たことない。
物はただの物。
靴もそう。
大した意味はない。
日本のアシックスのエリートは底の薄いのを履くけど、アディダスもそうだけど、海外のエリートは必ずしもそうでもなく若干厚めのソールを使っていることもしばしば。
ハイレ・ゲブレセラシェも記憶に新しい、日本でいうadizero japanのシグネチャーモデルの祖。
adizerojapan1は割と薄めのチューンで履きこなすのに苦労をしたのですが、
一度足に馴染めばスピードも距離も最高の武器として機能してくれました。
そしてadizerojapan2は少々趣が異なり、日本のエリート向けとしては少々重くクッションのしっかりとしたドロップの深めの物でした。
このシューズは私のような足弱のものでもウルトラで履けるような好バランスの靴なのですが、
世界記録を出すようなエリートも履けるようです(確認のしようもありませんが、日本のエリート向けとは若干事情が異なり、海外の特にシグネチャーモデルは市販そのままとの話があります。もしかするとそれぐらい大雑把な世界なのかもしれません。)
結局のところ、靴なんかある一定の機能さえ有していればいいんじゃないの?
靴が持つ根本の意味を私は考えて今後のシューズを選ぼうと思っています。
正直靴は一定の要件を満たしてくれれば割とどうでもいい。
ロードの靴では最低限必要なクッション。
トレイルの靴ではプロテクション。
これだけでいい。
そこから先はただの付加価値。
ロードの靴、私のメインシューズはadizero fether rk2 この靴は部活動の学生向けの非常に潔いシューズでソールのある一定の耐久性とグリップ以外は何もないシューズ。
もうこれでいい。
もしロードのレースに出るならレースシューズはadizero匠戦を用意しているけど、それはただの気分的な動機付け程度でそれ以上の機能はない。
正直なところ、本当の自分の力を発揮するならここまで足も靴もボロボロになるまで走ったrk2の方が自分の力を発揮できると考えています。
それでもレース用として匠戦を備えている意味、それはさらなる高みに足を踏み込める可能性だけの話です。
rk2より強く走れる要素が匠戦にはあるけど、デイリーユースには全くの不向きのシューズ。
正直こんなシューズには俺は何も頼っていません。
自分を押してくれる匠戦よりも自分の力を等分に出してくれるrk2の方が自分の好みです。
道具のに走らされているうちはどこまでも半人前、道具を使って走るようになることが肝要です。
ここまで書くとさすがにロードのシューズでセンシティブな記述ですよね。
次に書くトレイルシューズに関してはもっともっと大雑把ですよ。
これはプロテクションに尽きます。
それだけ。
ソールとアッパーが一定のプロテクションを備えていること。
必要な要素はそれだけです。
そこから先は例によって付加価値です。
トレイルシューズの場合の次の要件はトラクション、グリップです。
これもあまり気にするに及びません。
もし自分が正しくトレイルに立てるならば、
ソールのラグが及ぶ範囲でのぬかるみにはそれは大きく左右しますが、その閾値を超えた路面なら何を履いていても同じです。
そんな商業的なソールのラグが及ぶ範囲だけでトレイルシューズは切磋琢磨しているのです。
この論点の大前提としては自分がトレイルに正しく立つ必要があります。
これは重心移動法です。
ある一定までならシューズに頼らず滑りにくい歩き方や走り方を工夫できるものなのです。
私は自分のトレイルのホームコースを何万遍も走って、かつては足を滑らせる難所だったのに重心移動をマスターしてからはただの急登になりました。
こんな手品みたいな現象を体感してから私は胡散臭いマジシャンになってしまったのです。
その観点から言わせてもらうと、ラグが及ぶ範囲でトレイルシューズは作用しますがそれを超えるぬかるみだと何を履いても同じです。
確かにラグの深いシューズは浅いぬかるみまでのトレイルなら非常に楽に走れます。
でもそれは道具に走らされているだけのような気がします。
自分の腕(技術)で攻略するのがトレイルの醍醐味だと私は思います。
特にですよね、靴に走らされるトレイルなどなんの意味がありましょうか?
その靴がなければ走れないなら走っているのは靴だけです。
そのあたりを考えると私の使用した限りだとcascadiaシリーズが好バランス(正確なところ私はcascadia7を3足しか履いたことがありませんが、cascadiaシリーズはマイナーチェンジしかしないコンセプトです、大筋はそのままバージョンが変わっても違和感なく履ける靴造りらしいです)。
いかにグリップが良くてもソールの磨耗の早すぎるシューズは実用に堪え兼ねます。
その観点から素人ランナーとしてはサロモンは選択肢から消えてしまいます。
実用ランナーとしてはトレイルまでのロードもこなす必要があり、そこでもかなりのトラクションを発揮するサロモンシューズですが、如何せんラグも浅いし磨耗も早すぎます。
その都度大枚叩いて買い替えなど庶民ランナーには無理です。
私の場合はcascadiaなら安牌なのですが、正直なところ同程度のプロテクションを有しているシューズならなんでもいいです。
FTR100Kの後半で真価を発揮した
テクニカシュプリームマックスなどはその極みですよね。
プロテクションの極みのシューズです。
でもこの靴は若干防御力が強すぎて攻撃力に欠けるのも事実です。
そういうことを考えると、どこかで我慢をしてどこかでメリットを得て、
結局そんな妥協の作業しかトレイルシューズにはないのですが、
私の場合は違います。
CASCADIAなら攻められます。
今時のシューズより若干深いドロップも考え方一つで実は武器になるのですよ。
登り坂では踵が高いぶん、斜面に対して踵を付けられる閾値が高くなります。
これは見落としがちですが実はめちゃくちゃ有利な要素なのですよ。
踵を浮かすことからくる小さな疲労の積み重ねをほんのわずかづつ軽減できるのです。
こんな事に言及したメディアを見たことはないけど、踵が高い靴は絶対的に登りに有利なのです。
それは単純に人間工学的な意味と靴の構造を考えれば明らかで、ドロップが深ければある程度までの傾斜を相殺してくれるのです。
だったら下りは逆に効果するんじゃないの?
それはアホな意見です。
下りではそのぶ厚い踵のクッションを上手く使えばいいのです。
下手なナチュラルランニング系のシューズを下手に使うよりも、
クレバーにドロップの深いCASCADIAを効果的に使う方がよほどの効率を生むのです。
道具はその特性を理解し、それを使いこなして初めてその道具を自分の眷属にできるものです。
道具に走らされているうちは道具の眷属です。
それに気づいてからはそんな情けない事にだけにはならないように気をつけています。
ではここでドロップの浅いシューズのメリットデメリットについて考えてみましょうか??
登り下りの坂に対して不利です。
強い足が必要です。
強い足があれば軽く軽快に走れる事でしょう。
裸足神話
低ドロップ神話
軽いシューズ神話
ここで断言します。
全て神話です。
それは宗教的なレベルの信仰心です。
だから私はそれを否定しません。
信仰は自由ですから。
私が求めるのは救いでも解脱でもなくただの機能です。
トレイルのシューズの高ドロップシューズには絶対的な優位性があります。
それはもちろん使い手次第の機能ですけどね。
その意味を理解し使いこなせる事。
これはそんなシンプルな世界なのです。
そんなシンプルな世界にせよだ、
今回のバックパック下調べは投資に向けてのせめてもの調査。
細かいことはいいんだよ。
サイズとある一定以上の装着感さえ確かめられれば。
それがトレイルでどう作用するか?
などはどうせどのバックパックを購入しても同じなんだ。
購入してみないとわからないことだから。
我々庶民ランナーの道具は持ち合わせたものが正義。
このルールは絶対なのだ。
言ってしまえば、手の届く、持っている道具だけで、
どれだけのパフォーマンスを発揮できるのか?
そんな遊びをしているだけなんだ。
だから充分。
RUSH28を購入した。
良し悪しは置いといて、
自分が入手できたこの道具でGTRを走ることにした。
これを使うしかないのだから、ここから先は語るに及ばない。

背面

前面

側面

着用正面

着用背面
割と多様性のありそうなバックパックなのでGTRに向けて私の使いこなし次第でどうにでもなりそうだと考えています。
一番大事な容量を満たしていてそうした汎用性を備えていればこれは間違いない。
その上で良し悪しはあると思います。
本日プチ遠征で荷役しただけでそれは感じました。
ここはいいけど、ここは良くない。
やはりあるけど大した問題ではない。
実用に耐えうる耐久性と容量があればいいだけ、
その中で少しだけ贅沢に「走れそうな」バックパックを選んだのはここだけの秘密です。
さてこうしてひとしきり書き殴ったわけですが、
このバックパックのレビューはまた別の記事にします。
まだろくに使ってませんから。
ここで冒頭に戻ってこのバックパックを2days(ツーデイズ)と呼ぶ事にした話に戻します。
皆さんは単純にこの容量なら二日程度の山行に対応するからと考えられた事でしょう。
でもそれはある意味正解ですが、この場合は不正解です。
このバックパックがツーデイズと名付けられた真の理由、
それは、、、、
、、どうしてもどうしても、
このバックパックを購入する資金を捻出できなかった不甲斐ない私が最後の手段、
6月の更新まであと三日しか保有していない有給のうちの2日を買取ってもらってどうにか資金を捻出したからです。
私の有給の二日分を要したバックパックだから、
2days(二日分)なのです。
これでももう後がない。
インフルなどに罹患したら間違いなく詰む。
私の残りの有給はもはや複数形も使えない1dayなのだから、、、、
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